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「orange(オレンジ)」という漫画を読んでみました。

26歳になった私には、後悔している事がたくさんあります。

という表紙の文字に惹かれて試しに一巻だけ読んでみようと。

ところが、さて続きはどうしようかななんて考える間もなく、あっという間に四巻まで読み進んでしまいました。

粗筋は、主人公菜穂の元に、ある日不思議な手紙が届きます。

差出人は10年後の自分。

「私は今日こういうところでこんな出来事があって、後悔するから、そうしないように。」

とその日の出来事が日記のように書かれた手紙でした。

10年後の菜穂の願いは、その年の冬に死んでしまう友人翔（かける）を救うこと。

未来を知った菜穂は、後悔しない日々を過ごして翔を救うことが出来るのか、というお話。

先のことが分かる手紙なんて手元にあったら、とんとん拍子に幸せな未来じゃん？と思っていたのですが、10年後の「自分」がしてきた後悔を今の同じ「自分」が簡単にしないように動けるわけがないんですよね。

最初はそれで、起こることやらなくてはいけないことが分かっていながらも上手く動けずに、やっぱり後悔ばかりしてしまう菜穂。

菜穂の葛藤や涙や言い訳は、すごく等身大だなあと思います。

そんなリアルな主人公が、最後には頑張って弱い自分と戦う姿。

同じように、頑張れなかった後悔を持っている人こそ惹かれるのではないでしょうか。

そしてつい自己投影してしまうから頑張ってほしいし、幸せになってほしい。

10年後の後悔を抱えた菜穂にも、是非笑ってほしい。

読めば読むほど、菜穂に共感して作品の世界に入り込んでしまう作品です。

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