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漫画家視点の漫画は数ありますが、編集者視点で描かれる漫画は数えるほどしかありません。

中でも最近人気を博しているのが「重版出来!(じゅうはんしゅったい)」です。

出版社に入社したての黒澤心という新人編集の視点で、出版に携わる様々な職業を描いています。

漫画家ならではの、本に全てを賭けているんだ!という焦りとプレッシャーを色濃く描いています。

特に3巻では、漫画家はフリーランスのライターなので社会的に立場が低いという厳しい意見も出てきます。

というのも出版社の人間というのはしっかりとした会社が後ろにいてくれますが、漫画家にはそれがないのです。

そして駆け出しの漫画家というのは、次のチャンスを掴むまでどれだけの労力が必要かすら分からないほどの不安と戦っているのです。

勿論編集者としても面白い漫画はしっかりと育てて、会社にも漫画家にも利益を出さなければなりません。

こういったどこまでが会社のためになるか、どこまでが漫画家に許せるかという取捨選択をしっかりと描いている漫画です。

特に漫画家視点の描写は、作者の松田奈緒子さんも相当な苦労をなされたからこそ描ける苦しさというものがあるのでしょう。

それを編集者側のドライな視点で描けるのはとてもすごいことです。

個性豊かな漫画家がたくさん登場しますが、特に新人漫画家の二人はそれぞれが目立った長所と短所が描かれています。

漫画家に対する編集者のアクションもそれぞれなのですが、その全てに共感できるものがあります。

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