自殺島【無料試し読み】
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食事が美味しそうな漫画の条件は、食べる人間のリアクションが大きい、食材の素晴らしさを説明してから食事シーンになる。

さらに、肉や食材への描き込み具合がすごい、食べている人間の考えていることが雄弁に美味しさを伝えてくれるなどがありますが、自殺島という漫画ではまた違う切り口を見せてくれています。

自殺島とは、度重なる自殺志願者が送り込まれ日本の法律から完全に隔絶された島でのサバイバルを繰り広げる漫画。

その島には生活のインフラがまったくありません。

そこで自殺をしないことを決意した人間たちがグループを作り、苦心して生活基盤を整えていくのですが、そのうちに完成する食事がとても美味しそうであり、かつとても大事なことを教えてくれるのです。

そして肉を食べるには、生きている鹿やウサギを狩らないといけません。

最初は空腹のあまり狩る側もただ食べることしか考えていません。

しかし食べ始めてからは、生きていた鹿はなんと美しかったのだろうと気がついたり、生きていくためには他の生き物を狩らなければいけない、自分たちも自然に生かされているんだ、ということを実感し感謝して口にします。

この食事シーンがとてつもなく美味しそうなのです。

その後も悪戦苦闘して農作物や魚介類を手にし、仲間たちと食べられる状態までの行程を確立していきます。

自然の物を食べられるようになった時に、今まで自分は恵まれていたということを再認識する自殺志願者たち。

これからはその恵まれていた気持ちを忘れずに口にしようとしていく姿が、食事を特別なものだと思わせてくれるシーンにしてくれています。

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